第82話 業績が上がる人事制度とは?

 「人事制度はあるけれど使えない」

 残念ながら、このような企業が多いのも事実です。これでは、何のために導入したのか分かりません。

 人事制度の第一の目的は、業績を伸ばすことにあるハズです。ところが、人事制度を入れたても業績が上がっていないという現実があります。その前に、冒頭のように運用がストップしているケースの方が多いのかもしれません。

これでは、入れた意味がありません。

 運用が止まってしまうケースでは、運用するのが「難しい」という理由が考えられます。その結果、「我が社には、人事制度の導入はまだ早かった」といった思い込みをするようになります。これは、間違っています。

 人事制度は、コンサルタントなど外部の人が作るものではありません。初めから、社長の頭の中にあるのです。そうでなければ、会社はとっくに潰れています。

 社長の頭の中にある評価基準に従えば、その会社に合った人事制度が出来上がるのです。それを、一般的なセオリーどおり、執務態度やマインドを決めて、能力を出せるようにし、成果が出るという順序でやると失敗します。時間が掛かりすぎて、状況が変化し、成果が出せません。

 では、どのように構築したら良いのでしょうか?

 先ほどの逆張りで考えてみましょう。まず、何が成果となるかを決めてください。すると、具体的にやらなければならない業務が決まってきます。これをやると必ず成果が出るという業務のことです。

 次に、この業務がやれているかどうかを見ます。やれば成果がでる業務ですから、それを真似るとある程度はできるようになります。

 しかし、真似には限界があります。そこで、能力を高めて、真似からの脱却を図ります。

 このように、逆のアプローチを取ります。つまり、大義名分から始めるのではなく、成果からスタートするようにします。こうすることで、成果がでれば、それを賃金に結び付けることができるようになります。

 成果が出ても、賃金に反映されなければ、やる気は失せてしまうでしょう。逆に、賃金に跳ね返れば、会社に対する信頼感は増すことになります。

 やれば自分の賃金が上がるということを体感させることが大事です。そのためのツールが人事制度です。

 「会社の業績を上げる」よりも「自分の賃金を上げる」の方が、社員は自ら働き出すようになるのです。人事制度を使って、実際に賃金が上がることを身を持って教えることで、結果的に会社の業績アップが可能になります。

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