第80話 燃える集団の作り方とは?

 「売上目標を達成するために頑張ろう」

 朝礼などで、社員に対して、このような言葉を発している経営者は多いのではないでしょうか。しかし、どれほどの社員が自分自身のこととして受け止められるのかは疑問が残るところです。

 たぶん。殆どの社員に刺さらないでしょう。

 なぜなら、社員目線での発言ではないからです。あくまでも「会社の」売上目標を達成しようと言っているのであって、これでは社員のメリットが伝わりにくくなっています。

 間接的には、会社の売上目標をクリアすれば売上が上がった分、社員への配分が増えるかもしれません。ところが、その辺りが明確になっていません。社員にとってみれば、本当に配分されるのかどうかも分かりません。それは、約束されていないからです。

 売上が上がったら、会社はその利益を借金の返済に充てるつもりなのかもしれません。それは、それで問題はありません。でも、社員が自ら働こうという気持ちにはならないでしょう。

 大事なのは、社員のメリットを伝えることです。なぜ、会社の売上を上げなければならないのか。それは、社員の給料を上げるためなのです。

 会社は、商品なりサービスなりを提供した結果、売上を得ることができます。売上を上げた結果、その粗利から人件費が配分され、給料として支払われるのです。社員には、このことを理解させなければなりません。

 社員の給料を唯一増やす方法が、会社の売上を上げることなのだと教えるのです。会社と自分の給与の関係性が分かれば、社員も売上を上げるために頑張ろうという気になるでしょう。

 そのうえで約束すべきです。粗利の何割は給料へ配分するということを。

 その約束を守るべき、月々の売上や粗利などを社員にオープンにするのです。会社の金の流れを可視化することによって、「今月は○○が足らないから、もう少し頑張ろう」などと具体的にやるべきことが分かるようになります。すると、社員も行動しやすくなります。

 会社が社員へ要求することは、「売上への貢献」であることには変わりありません。同じ意味の言葉を発するにしても、社員には自分のことだと思わせる工夫が大事なのです。

 燃える集団は、伝え方を変えるだけで作ることができるのです。あなたは、そのような伝え方を実践されていますか?

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