第70話 優秀な管理職がやるべきこととは?

 「何をやっているんだ」

 そう言って、怒鳴ろうものならパワハラと言われかねないと心配されている経営者がいらっしゃいます。確かに、叱れない雰囲気は最近、顕著になってきました。しかし、叱らなければならない場面で、叱れないのでは組織が成り立たなくなってしまいます。

 そこには、緊張感も何もありません。

 パワハラを議論されると、それまで叱っていた管理職も、これはマズイと思って叱らなくなってしまうことがあります。これが最悪。

 やはり、社員がマズイ行動をしたのなら、時を置かず、叱ることが必要です。ただし、暴言はダメです。「クビ」とか、「死ね」とか、「バカ」といった暴言は、殴る、蹴ると同じなのです。

 時には、語気を強めて、叱責するということがあっても良いでしょう。しかし、そこで暴言を吐かないようにすることです。管理職は、日常的に部下とのコミュニケーションを求められます。

 つまり、管理職は、日常的に部下へ何らかのフィードバックをする機会があるということです。この時、褒めるべきか、叱るべきかは、議論が分かれるところです。

 どちらでも構わないのではないでしょうか。

 もちろん、叱る場合には前述した点に気をつけなければなりません。しかし、部下は、叱られるというフィードバックを得ることで、自分の悪い部分を知って、改善できるようになります。

 あるいは、褒められることで、自分の良い部分を知って、さらに伸展させようと考えるかもしれません。どちらも、日常的なコミュニケーションとして必要不可欠です。

 ここで、管理職が注意しなければいけないのは、フィードバックを業績と連動させることです。逆に言うと、業績と連動しないフィードバックは、意味をなさないということになります。

 確かに、叱るより、褒めるほうが、部下から歓迎されるでしょう。とはいえ、叱るべきタイミングで叱れないと、グダグダした組織になってしまう危険性もあります。

 例えば、褒める場合は他の社員の前で称賛を得られるようにすべきですし、逆に、叱る場合は他の社員に知られないようにするという配慮も必要です。

 それにより、部下の自尊心を傷つけなくて済みます。

 優秀な管理職は、フィードバックを通して日常的に部下とコミュニケーションを取っています。密なるコミュニケーションが業績改善の第一歩です。

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