第57話 人材の流出を防ぐには?

 「新入社員がわずか10日で辞めてしまった」

 期待して入れた人が流出するほど、会社として残念なことはありません。このような流出を防ぐためには、どうしたら良いのでしょうか。

 それには、会社に残って欲しい社員像をピックアップしてみることです。例えば、その一つに、会社の価値観をよく理解していて、それに基づいた行動ができる社員があるでしょう。

 そうでなければ、会社のミッションを達成することができません。したがって、会社が打つべき施策として、経営理念を示すことが重要になります。

 「われわれは何者なのか。そして、どこへ行こうとしているのか。そのために何を大切にし、どのように行動するのか」。つまり、ミッション、ビジョン、価値観、行動様式といった会社自身の定義です。

 中でも、ビジョンを示すことは社長の仕事です。現在進行形で「将来、どこへ行こうとしているのか」を表現することになります。示された会社のビジョンと自身のキャリアがつながっていると社員が感じられることが大事です。

 社員は、自分が積み上げてきたキャリアが会社に必要とされていないと思えば辞めて行くでしょう。会社で自分のキャリアが上がって行く実感が持てないのですから当然ですよね。

 したがって、会社として残って欲しい社員を流出させないためにも、経営理念の浸透が喫緊の課題となります。逆に言えば、経営理念を浸透させることで、社員の能力を最大限に発揮させる土壌ができます。

 例えば、それは、会社に合った行動様式に変えるということです。会社に合った行動様式を取ることで、上司から褒められたり、同僚から賞賛されたりすれば社員の承認欲求が満たされます。誰もが「認められたい」という欲求を持っています。

 承認欲求が満たされれば、働きがいを感じることができるでしょう。つまり、会社が自分を必要としてくれていると実感できるようになります。働きがいを感じることで、責任感も芽生えてきます。

 すると、社員が自ら働き出すようになります。そして、10年後、20年後の自分のキャリアを思い浮かべることができるようになります。会社としては、このような善循環をつくるべきです。

 ローパフォーマーを社外へ転出することと併せて、会社に残って欲しい社員の流出防止を考えていかなければなりません。

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