第53話 ローパフォーマー対策とは?

 「社員がミスばかりして困る」

 このような悩みを持たれる経営者は多くいらっしゃいます。いわゆる能力が低い社員がいることによって、少なからず仕事の割り振りや要員の確保に支障が出てしまうからです。

 さらに、職場を混乱させたり、困惑させたりするなど、他の社員の成果を阻害するするようになれば放っておくことはできません。むしろ、会社としては契約の解消を考えるべきでしょう。

 ところが、能力が低いことを理由に辞めさせるのは簡単ではありません。解雇には厳しい制約があるのです。また、懲戒の対象にもなりません。

 では、支障が出るから仕事を取り上げても良いのでしょうか。それもダメです。そのことが逆効果となり、「会社が足を引っ張ったから成果が出なかった」と言われてしまいます。

 会社には、改善するための機会を与えることが求められています。これは、労働契約が働く約束だからです。

 社員にチャンスを与えるということは、改善教育を通して徹底的に仕事を支援することなのです。その結果、改善できれば良いですし、そうでなければ社員の責任になります。

 具体的な改善教育は、まず、どこを改善するのかを特定することから始めてください。さらに、なぜ成果が出ないのか、その原因を明らかにします。それを踏まえて、新たな行動をどのように取れば良いかを具体的に設定するのです。

 ただし、その中身は「達成可能なもの」でなければなりません。そうでなければ、辞めさせることを前提に教育が行われたことになります。つまり、見せかけの改善教育と取られてしまいます。

 社員の意見を反映できれば、会社が一方的に押し付けたことにはなりません。重要なことは、これらを記録に残すことです。的確な改善教育を行うためにも、例えば「いつまでに何をしなければならないか」といったように、行動に結びつけられるようにすべきです。

 改善教育は、数か月行って、評価をし、改善できなければ、更に数か月行って再評価するというように複数回、実施することになります。複数回、行うことは、会社が教育に力を注いだ証になります。契約の解消は、それからでも遅くはありません。

 改善教育を行うことは、会社のリスクを減らし、生産性の回復につながるということを認識しましょう。

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