第51話 立場を作ることの重要性とは?

 「立場が人を育てる」

 このことを目の当たりにされたことがないでしょうか。あるいは、ご自分がこのような体験をされたことがあるかもしれません。立場が変わったときを境に見違えたということは、しばしばあります。

 例えば、主任へ昇格したとたん、責任や自信が出てきたという話はよく聞きます。一つには、会社から認められたから昇格したということがあるでしょう。また、役職に対する周りの”目”もあるでしょう。役職に対する周りからの承認と言い換えられるかもしれません。

 承認は、社員にやる気を起こさせるうえでプラスに働きます。このことは、ハーズバーグの二要因理論でも指摘されているとおりです。

 言い換えれば、「認められたい」という欲求が満たされることの証明にもなります。ただし、前述の例のように昇格という機会は、すべての社員に均等に訪れるものではありません。

 そこで、同じように周りから承認される工夫が必要になります。

 例えば、「教える」という立場は、周りの承認を得られやすいし、本人の承認欲求をも満たせるのではないでしょうか。教えるのは、部下でなくても同僚でも良いわけです。

 互いに教え合う環境を作ることで、承認され、感謝されるようになります。すると、全員が会社に貢献できることになるでしょう。この場合の良いところは、社員それぞれの力量に応じて貢献できることです。

 さらに、メンバーとしての帰属意識も高まります。つまり、「自分の会社」「自分の仕事」と思えるようになります。

 人に教えるという行為は、自分の専門分野を掘り下げなければ早晩できなくなってしまいます。要するに、自分の専門分野を伸ばすことに他なりません。このように、「教える」というのは、長所を伸展させるのにもってこいの行為だと考えます。長所を伸ばせば、短所が目立たなくなるだけでなく、周りから認められることで責任も自信も芽生えることになるでしょう。

 社員がオールラウンダーでなければならない理由はありません。社員に、自分の持っている知識や技術を「教える」という行為を通して、会社に貢献できることを理解させることです。

社員の立場を意図的に作ることも、会社の取り組みとして重要ですね。

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