第47話 仕事を見える化した時のメリットとは?
「仕事が面白い」
これは、若手社員の職業観を調査するに当たって、仕事を行ううえで大切だと思うことを尋ねた結果、1位(68.7%)となった答えです(一社日本経営協会『若手社会人就労意識ギャップ調査報告書2012』より)。
同じ調査で、転職をしない理由を尋ねたところ、「仕事に面白みを感じるから」が2位(35.2%)でした。多くの社員は、1日の3分の1以上を会社で過ごすことになりますから、仕事に面白みを求めるのは当然のことです。
このことから、転職をさせないためには「仕事の面白み」を社員に実感させることが有効であることが分かります。逆に言えば、放出したい社員には「仕事の面白み」を感じさせないようにするのが良いでしょう。
確かに、何かに面白みを見出さなくては、つまらなく感じて、やりたくなくなってしまうでしょう。本田宗一郎も言っています。「やりたいことをやれ」と。そうして、給料のことばかりを考えている人を否定しています。
しかし、仕事は、そうそう面白いものばかりではありません。中には、あまり工夫もせずに惰性でやってしまうこともあるでしょう。
では、社員に「仕事が面白い」と感じてもらうには、どうしたら良いのでしょうか。例えば、自主的に仕事をすることで、やりがいが生まれ、仕事の面白みが分かるようになります。つまり、仕事に対し、どのように取り組むべきかを考えさせるのです。
そのためには、仕事の中身を理解していなければなりません。多くの会社では、経験的に仕事を分かっていますが、誰が見ても分かるように言語化していません。
いわゆる、「仕事の見える化」ですね。
これには、仕事を分解する必要があります。前提として、職種毎に行います。そこから、一人前で任せられるレベルは何かを確認することになります。すると、仕事に要求される知識や技術のレベルが明確になります。
今度は、難易度を確認することになります。例えば、図面を理解するためには、図面そのものではなく、計算方法まできちんと分かっていないとできない仕事もあります。つまり、その仕事の重みづけを考えるということです。
すると、仕事の全体像と難易度が分かるようになります。仕事が決まれば、そこへ誰をあてがうか、といった適性も見極められるようになるでしょう。適材適所ですね。
仕事の中身を言語化することによって、採用する時の説明がきちんとできるようになります。つまり、ミスマッチを減らせることなります。ぜひ、仕事の見える化をしてみてください。