第42話 社内報の利用価値とは?

 「社内報は、やってみえますか」

 このようにお尋ねしても「やっている」というお返事は、あまりいただけません。

 マーケティングでは、顧客とどのように向き合うかが大切ですよね。顧客との関係性を深めるために、接触頻度を増やす方法が有効だとされています。そこで、定期的に訪問したり、ニュースレターを発行したり、ステップメールをしたりする会社が多いのではないでしょうか。

 このように、外向きには関係性を深める努力をしていても、内向きには意外とやっていないものです。

 社員に対して、社長の見解を述べるメディアを持つということは、非常に重要なことであると考えます。社内報を使って、社長の考え方や会社の方針等の情報を、社員と共有できるようになります。また、経営理念の浸透度をより深めることにも役立ちます。

 マーケティングでいう顧客は、内向きに見れば社員と捉えることができます。しかしながら、普段、社員に伝わる発言をしているでしょうか。つまり、顧客目線ならぬ社員目線になっていますか。

 例えば、「売上を●●円にしましょう」とか、「もっと危機感を持って欲しい」という言い方は、経営者目線の発言です。そのまま伝えても、社員にはしっかり伝わりません。これが、文章であればなおさらです。

 例えば、ニュースレターの文章が、顧客目線を外れたものですと読まれないのと同じです。読まれなければ、関係性を深めることはできません。関係性を深めることで、会社と社員との間の不確実性を減らせるのではないでしょうか。言い換えれば、信頼の構築ですよね。

 なので、顧客に対して、いろいろ考えて試すことと同じように、社員に対しても接することが重要です。社内報をうまく活用できれば、社員を社長のファンにすることができます。したがって、このようなメディアを社長は持つべきだと考えます。

 体裁が整っていなくても、編集担当を置かなくても、いいのです。企画やデザインも関係ありません。短くても大丈夫です。紙媒体でも、メールでも、やりやすい方でいいのではないでしょうか。成果が出た社員を褒めてあげてもいいでしょう。インフォーマルな情報を盛り込むのでも構いません。社長との信頼関係は、より強固なものとなるでしょう。

 社員は、経営資源の中で最も大事な資源です。社内報=社員のためのものと捉え、社員に読まれる工夫をしましょう。

 もし、社内報を活用していないのなら、スグに実行すべきです。

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