第38話 SNSトラブルの代償とは?

 「どうしてくれるんだ。御社の営業マンにTwitterで個人情報を漏らされた」

 社員のTwitter上のつぶやきが原因で、第三者から苦情を言われることがあります。

 いや、苦情だけならまだいいのですが、会社の評判がガタ落ちしたら経営を揺るがすことになりかねません。いや、いや、その上、損害賠償を請求されたら目も当てられません。このように、社員のSNS上の不適切な発言が、会社にとって大きなリスクをもたらすことがあります。

 誰もが世間に知られたくないことってありますよね。それを、社員自身は軽い気持ちで発信したのかもしれません。単に、息抜き代わりでつぶやいたのかもしれません。

 ところが、このような場合、会社側が負う責任は、かなり重いものになると考えた方がいいでしょう。というのも、この場合の構図は、対社員や対第三者企業ではなく、対第三者であるからです。

 巻き込まれた第三者は、損害賠償を請求できることになります。それも、漏えいした本人や会社に対してだけではなく、取締役についても責任を問われる可能性があるのです。つまり、管理体制をしっかり作っておかないと、会社のみならず、取締役自身も責任を取らざるを得なくなってしまいます。さらに、株主代表訴訟だって怖いですよね。

 なので、そうならないためのリスクマネジメントが大事になってきます。具体的にトラブルを防止するための管理体制とは、SNSの使い方、取り組み方等のガイドラインを策定し、就業規則の整備を行ってルールを明文化することです。加えて、それらを浸透させ、守らせるための社員教育が必要になります。

 会社には、多種多様な雇用形態の社員がいます。正社員とアルバイトでは、責任の重さも違えば、ロイヤリティだって違います。

 しかし、会社として一体感を感じられるように教育していかなければなりません。例えば、アルバイトが悪ふざけでTwitterに画像を投稿して休業や閉店に追い込まれた会社があります。その原因は、一体感が出せなかったのかもしれません。

 一体感を出すための手法として、漏えいした場合に社員自身が被るリスクを認識させることも効果があります。例えば、誹謗中傷をした書き込みをすれば、名誉棄損や威力業務妨害などの罪に問われる可能性があります。個人情報や営業秘密を漏えいすれば、不法行為で損害賠償を請求される可能性があります。これらは、当然、就業規則のルールに違反することですから懲戒の対象になります。

 これらを日々の教育の中で繰り返し認識させることが大事です。

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
03-3554-3666

受付時間:9:00~17:00
定休日:土日祝祭日