第23話 社員の意識を変えるには?

 「共通認識をチーム内で持つことが重要だ」

 女子バレーの久光製薬スプリングスで監督を務める中田久美さんが、ミズノのWEBマガジンで答えています。中田さんは、監督就任1年目にして、天皇杯・皇后杯、V・プレミアリーグ、黒鷲旗大会の3冠を達成されました。これは、女子チームでは史上初となる快挙だそうです。その中田さんをして「チーム作りはまず意識改革から」と言わしめています。

 中田さん率いる久光製薬スプリングスは、毎年、優勝候補として名前が挙がっていながら結果を出せなかったチームです。中田さんが就任後、個人とチームの目標を設定して「どうしたら結果に結びつけられるのか」を徹底的に考えさせたと言います。このことは、社員が一体感をもって仕事に取り組む姿勢と同じです。

 そこで、重要になってくるのが経営理念です。経営理念とは「会社の存在意義とは何なのか」「目指すところはどこなのか」「そのために大事にしていることは何で、それを実現するためにどのような行動をしなければならないのか」を示すことです。

 これは、どんな経営者でもあるハズです。頭の片隅でぼんやりと思っているだけかもしれませんし、明文化していないかもしれません。でも、持っているハズです。

 ただし、社員の間に共通の認識を持たせるためには、なるべく平易な言葉で明文化することが必要です。明文化することによって、それを冊子にして持ち歩くことができます。冊子はパソコンと違って、いちいちアクセスする必要がありません。開けば、いつでも経営理念を確認することができます。この”いつでも”というのがミソなのです。

 いつでも、経営理念を共通のテーマに社員同士が議論できるようになります。例えば「経営理念を達成するために何を実践しなければならないのか」「経営理念に照らして正しい判断ができたか」「自分が当事者なら、どのように感じるか」等、自分たちで議論し、考えさせることができるようになります。これを繰り返すことで「職業人としてどうあるべきか」「現場で判断に迷ったときにどう対処すべきか」等、自分たちの戻るべき原点を確認することができるのです。

 社員の意識を変えるには、経営理念について徹底的に考えさせる機会を作ることが欠かせません。前述の中田さんも言っています。「チーム内の共通認識によって、選手たちが自分たちの勝ちパターンを感じていけたことが結果に結びついた」と。チームスポーツは、会社経営の良いヒントになりますね。

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