第22話 どうしたら職場の人間関係が良くなるのか?

 「仕事に対する意欲を高める上で何が重要だと思うか」

 この質問を社員にしたところ、54.2%が「良好な人間関係」と回答しています。中でも、29歳以下の若い世代で高くなっているのがこの調査の特徴です。

 また、厚生労働省が行った調査では、仕事のストレスとして「職場の人間関係の問題」が38.4%で最も高い結果となっています。男女別では、女性の方が男性よりも強いストレスを感じています。

 さらに、別の調査では、心の病となる一番の原因は「職場の人間関係」であるとしています。心の病の増加の原因として、個人で仕事をする機会が増え、職場での助け合いやコミュニケーションが少なくなっていることがわかっています。このことから、職場の人間関係が希薄になると、意欲とメンタルヘルスにマイナスの影響を及ぼすことが予測できます。

 では、職場で良好な人間関係を保つためには何をしたら良いのでしょうか?二つ、ご紹介しましょう。

 一つは、コミュニケーションの質と量を増やすことです。例えば、議題を決めずに行う朝会です。50年以上も続いているというキャノンの役員朝会が有名ですね。ざっくばらんな議論を交わすことは、お互いのことを理解するチャンスです。また、わざわざアポを取って会わなくても、朝会で意見交換できるメリットがあります。それにより、情報の偏りを防ぎ、意思の疎通もしやすくなります。

 議題を決めないというのがミソですね。キャノンの場合は役員の例ですが、部門単位で行うとか、各部門のリーダーが集まって行う等、応用はいくらでもできます。

 次に、社員がストレスに感じるところを除くことです。仕事と私生活は、ぶつかる場面が多いですよね。例えば、残業しなくてはいけないけど、デートも断れないといった場合です。結婚が近い場合、すれ違いが原因で破談になってしまうかもしれません。そこで、彼女の誕生日はデートを優先してあげるという配慮をします。職場での助け合いですね。社員は、翌日の残業をがんばってくれることでしょう。

 このようなことは、普段のコミュニケーションを密にしていないとわからないところです。つまり、コミュニケーション機会を増やし、社員に恩を着せることができますから、会社にとっては一石二鳥です。

 他にも、個人で仕事をする機会が増えている訳ですから、社員が一体感を持って仕事に臨める機会をつくる等、いくらでも工夫ができそうですね。あなたの会社では、どのような工夫ができますか?

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