第20話 ミドルの働き方事情とは?

 「仕事にやりがいなし」

 このように感じているとしたら、かなり問題ですよね。

 今年6月に日本能率協会が行った意識調査によると「現在の仕事にやりがいを感じていない」と回答した者のうち、30代と40代の半数近くが前述のように回答しているのです。他にも「現在の仕事は自分の能力を発揮できていない」と回答した者のうち、30代は半数近く、40代ともなると過半数が「能力が発揮できていない」と答えています。

 今回の調査では、世代間で「働き方」に対する意識の違いが鮮明になりました。特に、働き盛りの30代、40代の半数近くが、仕事にやりがいを得られず、能力が発揮できていないと感じていることは憂慮すべき点です。

 なぜ、屋台骨とも言うべき世代が「やりがい」を喪失してしまったのでしょうか。その理由を三つ挙げてみました。

 一つ目として、現状の収入に対する不満が考えられます。推測ですが、デフレで経済の閉そく感が続き、収入が伸びず、それとは裏腹に仕事の量は増え、高い仕事の質が求められているからではないでしょうか。これも、今回の調査で明らかになったことの一つで、約7割が「現状に不満」と答えています。なお、回答者の特徴として「収入」が最もモチベーションを左右するとしていますから、経済的果実に対する思い入れは強いと考えられます。

 二つ目として考えられるのは、仕事の意味づけがなされていないということです。つまり、会社では、それぞれどんな仕事をしていて、その中で何を重視しているのかといったことが不明確ではないかということです。もちろん、漠然とは理解しているでしょう。そうでなければ、仕事はできませんので。

 三つ目としては、仕事に対する目標の策定ができていないのではないかということです。これは、二つ目で述べたことと関連するのですが、仕事の意味づけの中から目標が設定され、その達成に向けて努力し、それに対して会社が評価する仕組みができていないのではないでしょうか。

 先の調査では「目標」に対する意識も明らかにされています。それによると、仕事へのやる気について比較した場合、目標を達成するとやる気が上がる人は33.6%、未達成でやる気が低下する人は21.3%と12.3ポイントのギャップがありました。やる気を左右する他の質問では、数ポイントの差が見られるだけです。例えば、「評価」で良い評価を得た場合にやる気が上がる人は48.8%、反対に評価が下がってやる気をなくす人は43.5%と5.3ポイントしか差がありません。目標についての意識が希薄と言わざるを得ません。

 収入と仕事の量は簡単に変えられませんが、仕事の質を見直すことで改善を図ることも一法です。

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