第73話 やる気にさせる工夫とは?
「褒めたらいいのか、叱ったらいいのか」
部下をどのように導いたらよいのか、わからないといったご質問を受けることがあります。そんな時、どちらでも良いと答えています。それに、二者択一で論ずるものでもないと考えています。つまり、褒める、叱るを状況に応じて使い分けることが大事なのです。
会社は上司に対して、部下をより成長させることに期待しています。なので、その人なりに部下を指導しやすいと思う方法を採れば良いのです。指導した結果、部下が伸びなければ指導の方法が悪いということになります。
少なくとも部下は、入社した時点で、がんばろうという気持ちがあるでしょう。であれば、部下には可能性があると言えます。ただ、仕事の習熟速度に速い、遅いがあるだけです。
このことを理解せずに指導していると、部下の仕事に対する興味をなくさせてしまうことになりかねません。つまり、上司が部下をダメにしているのです。
元来、仕事は楽しくあるべきです。ならば、部下にも仕事が楽しいと思わせることが肝心です。それには、部下の成功体験を増やすことが有効です。それも、ささやかな成功体験で良いのです。
仕事のハードルをいかに越させるか、そこに工夫が必要になります。この場合、ハードルをクリアできたら、褒めてあげるといいでしょう。「○○ができるようになったね」という自身の成長レベルがわかると、やる気になります。
つまり、どのように成長しているかが、部下に伝わるということです。それには、任せられている仕事に何が求められているのか、理解させる必要があります。
「今、君はこのレベルだよ。もう少しがんばると次のレベルに行けるよ」。部下からすれば、自分の成長度合いが見てとれることになります。仕事の成功体験と可視化ができれば、もっと上を目指そうという気にもなります。
仕事ができるようになったら、より短い時間でこなせるように仕向けます。長時間かけて仕事をするよりも、短時間でやり切ることに挑戦させます。すると、さらに時間を短縮することができるようになります。これを繰り返せば、生産性の向上にも役立ちます。
部下を伸ばすことが、上司の評価を決すると言っても過言ではありません。上手くいく方法を教えて、できるようにすることで、部下が成長のスパイラルへ入っていけるようになります。
そのためには、まず部下と仲良くなることが必要です。密なコミュニケーションが取れてこそ、部下を成長に導けるのです。
あなたは部下と、どのようなコミュニケーションを取っていますか?